あなたは、他人の感情に引っ張られたりしませんか?
共感力が高いがゆえに、他の人の気持ちが伝染して、気持ちが落ち込んでしまう…などの経験をした人も多いと思います。
そもそも、感情が伝染することは科学的になりえるものなのでしょうか?
そこで今回は「感情は伝染するのか?」について深堀していきます。
私が整体業をしている中で感じた、実体験も踏まえてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
【感情は移る?】共感力が高い人が疲れやすい理由と、引きずられないための工夫
✅ ある患者さんからの質問
施術中、ある患者さんからこんな質問をされたことがあります。
「先生って、患者さんの“気”をもらったりしないんですか?」
その方曰く、「人の感情は伝染するものだから、たくさんの人に触れるお仕事だと疲れそう」とのこと。
正直、それまで意識したことはありませんでしたが、この問いは非常に興味深く、私自身も振り返るきっかけになりました。
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✅ 感情は本当に伝染するのか?
結論から言えば、感情は伝染します。
これは単なるスピリチュアル的な考えではなく、心理学や神経科学の分野でも証明されている現象です。
たとえば、誰かが笑っているとつられて笑ってしまうことはありませんか?
逆に、イライラしている人と一緒にいると、なぜか自分まで落ち着かなくなることも。
こうした現象は「感情の感染(emotional contagion)」と呼ばれており、人間の脳に備わっている「ミラーニューロン」という神経細胞が大きく関係しています。
ミラーニューロンは、他人の表情や声のトーンを見聞きするだけで、脳がまるで自分が体験しているかのように反応するしくみです。
つまり、無意識のうちに相手の感情を模倣してしまうんですね。
✅ 共感力が高い人ほど伝染しやすい?
では、誰もが同じように感情に引っ張られるのか?というと、実はそうでもありません。
特に「共感力が高い人」は、相手の気持ちを深く感じ取る力があります。だからこそ、感情が移りやすい傾向もあると言われています。
たとえば、
- 悲しんでいる人を見ると、自分も胸が苦しくなる
- 怒っている人の近くにいると、緊張してしまう
といった経験がある方は、「感情に敏感なタイプ」かもしれません。
これは決して悪いことではなく、むしろ人の気持ちに寄り添える大切な力です。
ただし、そのぶん自分の心の余白をすり減らしやすいという側面もあります。
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✅ 「巻き込まれない共感」を持つには
私自身、患者さんの話を聞く中で、相手の喜ぶ理由も落ち込む理由もよく理解できます。
それでも、自分がその感情に引きずられることはありません。
なぜかというと、「これは自分の話ではない」と自然に切り離せているからだと思います。
共感しながらも、
- 「この人の立場なら、そう感じるのも当然だな」
- 「でも、私はそれを“代わりに感じる”必要はない」
というスタンスを心の中に持つことができれば、感情に巻き込まれることなく、健全な距離感で寄り添うことができます。
これは経験やセルフケアを重ねる中で、少しずつ育てていける「心のスキル」です。
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これは大谷翔平選手も言っていた、メンタルコントロールの技術です。
✅ 感情に引っ張られないために大切なこと
感情が伝染すること自体は、人間の自然な反応です。 でも、その感情を「どこまで受け入れるか」は、自分で選ぶことができます。
私が日頃から意識しているのは以下のようなことです:
- 自分の感情と相手の感情の境界線を意識する
- セルフケア(ストレッチ・入浴・自然に触れる時間)を習慣にする
- 話を聴いた後は、少しだけ“自分の時間”を持つ
これらは、感情に引っ張られない自分でいるための、大切な土台になっています。
【患者さんに元気に帰ってもらえるように】
私自身は「感情が伝染するなら、自分が元気でいればいい」と考えています。
だからこそ、施術ではまず自分の状態を整え、できるだけ元気に振る舞い、そのうえで患者さんにも元気になってもらえるように意識しています。
✅ まとめ:感情は伝染する。でも、選べる
ポイント | 説明 |
---|---|
感情は伝染する | 科学的にも「感情の感染」やミラーニューロンの働きが証明されている |
共感力が高い人は受け取りやすい | 深く感じ取れるぶん、感情の影響を受けやすいが、巻き込まれる必要はない |
大切なのはバランス | 共感と心の境界線の両方を意識することで、健全に人と関われる |
施術者に限らず、誰かの話をよく聴く立場の人ほど、この“巻き込まれない共感力”は大きな支えになるはずです。
ご自身の心の余白を大切にしながら、人との関わりを続けていけると良いですね。
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